熱帯のチョウが大発生 太地町でソテツを食害(和歌山

幼虫がソテツの新芽を食べる熱帯チョウ「クロマダラソテツシジミ」が太地町で大発生している。チョウの専門家らは、発生の状況から人為的に放された可能性もあるとみており「生態系に影響を及ぼすことも考えられる」と警戒している。
 このチョウの成虫は羽を広げても2〜3センチと小さい。幼虫は全長1・5センチほどで赤系と緑系の2色がある。もともと台湾などに生息しているチョウだが、近年、迷チョウが南西諸島に定着した。昨年には九州南部、兵庫県と大阪府の境界付近で大発生している。
 太地町で発生しているという情報が、今夏ごろから県内の専門家らの間で流れていた。国道42号から町立くじらの博物館に向かう途中に植えられているソテツに発生している。中心部の新芽から多く食べられてぼろぼろになっている木もある。
 昆虫に詳しい県立自然博物館の的場績学芸員は「温暖な気候の太地町だと幼虫やサナギが越冬することも十分あり、来年も大発生することが考えられる」と指摘している。
 太地町は「県と相談しながら対策を考えたい」と話している。

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