ついに、待望の“食欲の秋”が到来! だからこそ、美味しいものを楽しく味わうために、歯のコンディションを万全にしておきたい。
私は、半年前の5月に歯が痛み始め、数日前にやっと歯医者に行ってみたら、奥歯を1本抜かれて、前歯4本治療という憂き目(?)に。どうにも、自分で自分が情けない。毎日、歯は磨いているというのに……。
そんな時、「目からウロコの虫歯学 虫歯対策の新しいアプローチ」と題したセミナーが開催された。主催は、シュガーレスガム『リカルデント』シリーズを展開するキャドバリー・ジャパン株式会社。
これは、行かないワケにはいかない。早速、都内某所で開かれた虫歯セミナーに足を運んでみました。
当日は、日野浦歯科医院の院長である日野浦光先生と、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科の准教授である飯島洋一先生が、専門家の立場から解説。
まずは、日野浦先生が臨床医の立場から「“隠れ虫歯”と“酸蝕症(さんしょくしょう)”のメカニズム」を説明してくれた。
我々がイメージする“虫歯”とは、穴が開いていたり黒くなっていたり、グロテスクなあの状態ではないだろうか。しかし、この状態になってからでは、もう遅い。虫歯を削り、詰め物をしても、そこから虫歯が再発してしまう。
だが、その前段階では、虫歯への進行を防いだり、もしくは回復が望めるというのだ。
虫歯のメカニズムは、以下の3段階で説明できる。
1.糖分を含んだ食べ物を食べると、口の中にいるミュータンス菌などの虫歯の原因菌が糖分を代謝して酸を作り出す
2.ミュータンス菌が作り出した酸の影響で、歯のミネラルが溶け出す
3.だ液中のミネラル分が再び歯に取り込まれ、歯が修復される。これを「再石灰化(さいせっかいか)」と言う
歯から溶け出すミネラル分と、歯に再び戻るミネラル分のバランスが崩れると、虫歯となる。
今までの概念では、歯のミネラル分が溶け出している状態、見た目では気づきにくい状態(穴が開いていない、黒くなっていない状態)を“虫歯”とは考えてこなかった。だがこの状態を、“隠れ虫歯”と呼び、積極的にケアしようという動きがある。
もう1つ、歯を蝕むものに“酸蝕症”がある。これは、強い酸性の飲食物を摂取したことにより、歯のエナメル質が溶けてしまうこと。
健康な歯を、“隠れ虫歯”と“酸蝕症”から守るには酸対策が必要になる。その酸対策には、「CPP-ACP」という成分が有効だという。これは牛乳から取り出した、歯のミネラル分として吸収されやすい成分。
長崎大学大学院の飯島先生が、この「CPP-ACP」の新しい虫歯ケア法としての有用性を説明してくれた。
飯島先生いわく、この「CPP-ACP」の効果は以下の3要素で説明できる。
1.酸によってミネラル分が溶け出すことから歯を守る
2.酸によって歯から溶け出したミネラル分を補う
3.ミネラル分が補われ修復された歯は、酸に溶けにくい歯質となり、酸に強くなる
要するに、「CPP‐ACP」を用いることにより、以前より酸に溶けにくい歯になるのだ。
歯 の回復(再石灰化)にはエナメル質の材料となるミネラル分を補うことが重要。エナメル質の材料となるミネラル分が含まれているのは、この「CPP- ACP」と「だ液」がある。ということは、「CPP-ACP」配合のシュガーレスガムを噛むと非常に効率的。「CPP-ACP」配合のシュガーレスガムを 噛むと、ミネラル分を補う「CPP-ACP」と「だ液」が同時に多く獲得できるから。
それにしても、以前までガム、キャラメル、チョコレートなど は“虫歯の三悪”のように言われていたのに、今では「シュガーレスガムを常用することは、虫歯予防に寄与する」と言われているのが面白い。これは、世界歯 科連盟の声明としても出されている根拠ある意見。歯磨き後や、歯を磨けない昼休みなど、食間に「CPP-ACP」配合のシュガーレスガムを噛むと、むしろ 歯にいいらしい。
また、「CPP-ACP」が配合された歯のトリートメントクリーム『MI Paste』というのもある。このクリーム、 海外ではかなり人気がある物で、国内でも使用する歯科医が増加中。クリームを販売している歯科医院もあるとのことで、購入して自分で使っちゃってもいい。 あまり歯を削らずに歯を治す時代が訪れたのだ。
これからは、悪くなった歯を治しに行くのではなく、健康な歯をより健康にするために歯医者に行く時代。そして、自宅でもケア方法は用意されている。
“食欲の秋”だからこそ、歯の健康を保とうではないか。何しろ、本日11月8日は「いい歯の日」らしいから。
(寺西ジャジューカ)
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